Share This Post

HEADLINE / 電波法

自治体職員や消防団も日常利用OK!電波法改正で広がったアマチュア無線「社会貢献活動」のすべて

自治体職員や消防団も日常利用OK!電波法改正で広がったアマチュア無線「社会貢献活動」のすべて

行政・防災の新常識!アマチュア無線を社会貢献に係わる業務へ導入していこう!

近年、大規模な自然災害が相次ぐ中、地域の「通信網の確保」は急務となっています。そうした中、2021年3月に施行された電波法施行規則の改正により、アマチュア無線の運用ルールが劇的に変わったことをご存じでしょうか。

「アマチュア無線は趣味の枠を出ないもの」「業務で使うのは無理なんじゃないか?」

もしあなたがそう思い込んでいるなら、非常にもったいない機会損失をしています。現在では、消防団の活動や防災訓練、さらには地域のお祭りや清掃活動といった「社会貢献活動」において、行政職員(国・都道府県・市町村)であっても日常的にアマチュア無線をフル活用できるようになっています。

この記事では、電波法の根拠から具体的な活用シーン、そして国家資格であるアマチュア無線を今あえて導入する意義まで、徹底的に分かりやすく解説します。

1. 2021年電波法改正で何が変わった?行政職員も使える「社会貢献活動」の定義

従来、アマチュア無線は「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務(電波法施行規則第4条第1項第24号)」と定められており、業務への利用は厳しく制限されていました。

しかし、2021年(令和3年)3月9日施行の改正により、以下のルールが明確化されました。

電波法施行規則第5条の2(アマチュア局の開設の目的の特例)

アマチュア局は、社会貢献活動(ボランティア活動、防災訓練、地域の活性化に資する活動等であって、営利を目的としないものをいう。)であって、国、地方公共団体又はこれらに準ずる機関(以下「国等」という。)の要請若しくは指示に基づき行うもの又は国等と共催し、若しくは国等が後援するものに関わる業務を行うために開設し、又は運用することができる。

※更に関連する条文を確認したい場合は、ページ末尾の「アマチュア無線の利用拡大に関連する電波法等の条文」をご覧ください。

法改正の最大のポイント

最大の変更点は、「ボランティアや防災などの社会貢献活動に関係する業務であれば、ボランティア参加者はもちろん、国や自治体、消防団などの行政職員も、その立場(職務)のまま日常的にアマチュア無線を発着信できるようになった」という点です。

これまで「グレーゾーン」とされていた、あるいは「完全にNG」とされていた自治体業務や地域活動での利用に、国が公式にお墨付きを与えた形になります。

2. 現場で即役立つ!アマチュア無線の具体的な4つの活用例

法改正により、具体的にどのようなシーンでアマチュア無線が活躍するのか、4つの実例を紹介します。

① 消防団の活動や自治体の防災訓練

災害時、スマートフォンの基地局がダウンしたり、回線が輻輳(アクセス集中)して繋がらなくなったりするリスクは常にあります(※総務省の過去の災害通信調査でも、携帯電話網の寸断とサテライト・無線運用の重要性が繰り返し指摘されています)。

行政職員や消防団員がアマチュア無線の資格を所有していれば、防災訓練時だけでなく、実際の災害時における避難所間の連絡、被害状況のリアルタイム共有に日常の業務として利用可能です。

② 地域のお祭りや伝統行事の運営

市町村や観光協会が後援・主催する地域のお祭りやマラソン大会などでも活用できます。

広範囲に広がるスタッフ間の進行管理、迷子の捜索、熱中症患者が発生した際の緊急連絡など、営利を目的としないイベントであれば、運営業務の連絡ツールとして合法的に無線機を運用できます。

③ ボランティアによる地域の清掃活動や環境保全

河川敷の清掃活動や、山林の環境保全活動など、携帯電話の電波が届きにくいエリアでのボランティア活動にも最適です。班同士の距離が離れていても、アマチュア無線の高い出力と適切なアンテナ運用があれば、確実な安全確認が行えます。

④ 学校や公民館が主催する地域活性化イベント

子ども向けのスタンプラリーや、地域の防災フェスティバルなど、公共性の高いイベントの裏方連絡としても機能します。

3. なぜ今「アマチュア無線」なのか?国家資格が持つ圧倒的な意義

「今はスマホアプリや免許不要のトランシーバー(特定小電力無線など)もあるのに、なぜわざわざ国家資格のアマチュア無線を使うの?」と思われるかもしれません。

そこには、他の通信手段にはない3つの圧倒的なアドバンテージがあります。

通信手段 通信距離 災害時の強靭性 開局に伴う資格
特定小電力無線 数百m程度(見通し) 強い(インフラ不要) 不要
スマートフォン 全国(エリア内) 弱い(基地局ダウンで不通) 不要
アマチュア無線 数km 〜 地球の裏側まで 最強(自立型インフラ) 必要(国家資格)

圧倒的な通信距離と柔軟性

免許不要の特定小電力無線は出力が「0.01W」と非常に弱く、遮蔽物があると数百メートルも飛びません。一方、アマチュア無線(4アマ等)であれば「20W」や「50W」といった強力な出力が扱えます。適切な周波数(VHF/UHF帯など)を選べば、山間部やビル街でも数キロから数十キロ先まで一瞬で音声を届けることができます。

インフラに依存しない「自立型通信」

携帯電話やインターネットは、中継基地局や光ファイバー網が1箇所でも途切れると機能しません。アマチュア無線は、無線機とバッテリー、そしてアンテナさえあれば、地球上どこからでも単体で通信が可能です。この「途切れない強靭さ」こそが、防災において最大の武器になります。

「電波のプロ」としての電波利用秩序の守り手

アマチュア無線の従事者免許は「国家資格」です。電波の特性、他局への混信防止、法的なルールを正しく理解した人間が運用するため、混雑した状況でも統制の取れた、非常に効率的でクリアな通信網を構築することができます。

4. 社会貢献活動でアマチュア無線を導入する3ステップ

行政やボランティア団体でアマチュア無線を活用するためには、以下のステップが必要です。

1.資格の取得(第4級アマチュア無線技士以上):まずは運用者全員の資格取得が必要。

無線を送信する一人ひとりが国家資格を持つ必要があります。現在は、JARD(日本アマチュア無線振興協会)などが実施している2日間の講習会を受講し、修了試験に合格すれば、比較的容易に取得可能です。

2.無線局の開局申請・免許状の交付:無線機ごとに免許が必要。

使用する無線機を国(総合通信局)に申請し、「無線局免許状」と「コールサイン(呼出符号)」の交付を受けます。

3.社会貢献活動の要請・後援等の確認:合法運用のための最終チェック。

運用する活動が「国や地方公共団体からの要請・指示」に基づいているか、または「後援・共催」されているかを事前に確認・明確化しておきます。これにより、完全な合法運用が担保されます。

国家資格である「無線技術」を地域の力に変えよう

2021年の電波法改正は、アマチュア無線という素晴らしい技術と個人のスキルを、地域社会の安全と発展に直結させる転換点になったといえます。

  • 2021年3月の法改正により、社会貢献活動におけるアマチュア無線の「業務利用」が明確に合法化。
  • 行政職員や消防団員も、職務や日常業務として堂々と運用可能に。
  • 防災訓練、お祭り、ボランティア活動など、地域に根ざした幅広いシーンで活躍。
  • 国家資格ならではの「高出力」「インフラ不要の強靭さ」が地域を救う。

「地域の防災力を高めたい」「イベントの通信コストを抑え、確実な連絡体制を築きたい」と考えている自治体関係者やボランティアリーダーの皆様。今こそ、アマチュア無線という強力な選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

職員や団体専用のメンバーだけで受講できる養成課程講習会の開催

当サイトの運営母体である「スタークラブ」では全国各地でアマチュア無線の国家資格を2日間の講習で取得可能な総務省認定の養成課程講習会を設定し開催しています。クローズドな行政職員専用の講習会、消防団、有害鳥獣駆除団体に限った講習会なども行っています。

詳しくはスタークラブ公式サイトより、お電話・Emailなどでお問い合わせください。

https://star.sayama.jp

関連リンク

Share This Post

こんにちは!オンエアーズの編集長mayasaです。 小学生の時にアマチュア無線の電話級を取得、高校1年で2アマ(当時はモールスの聞き取りがありました!)大人になってから1アマを取得しました!大学では電子工学を学び、電子回路の制作などを行っていました。 日頃からアマチュア無線の普及啓蒙活動に取り組んでいます。 子どもから大人まで多くの人にアマチュア無線の資格取得のための講習会を開催しています。 【関連資格】 第一級アマチュア無線技士 第一級陸上特殊無線技士