アマチュア無線を使うには、まず国家資格であるアマチュア無線技士の資格を取得する必要があります。アマチュア無線は第四級から第一級までの4段階の免許があり、どれだけ強い電波を出せるか、どれだけ多くの周波数を使えるのかなどで資格に段階があります。
第四級アマチュア無線技士の免許は誰でも比較的簡単に取得できます。小学校1年生でも続々合格しています。取得方法には以下の2通りがあります。
です。
国家試験を受験するには日本無線協会が全国で開催している試験日程を確認して申込、受験します。以下のサイトから開催日程の確認ができます。
国家試験の合格率は60~70%程度と言われていて、書店などで販売されている書籍などを購入して独学で取得します。試験手数料は第4級が4,950円、第3級が5,200円です。このほかに試験申請書用紙代120円がかかります。
合格後には、自分で免許申請用紙(170円)を記入して免許証の発行手続きを行います。この手数料で2,100円かかります。
一方で養成課程講習会は民間団体などが開催している2日間にわたる講習を受講して最後に修了試験を受けて既定の点数以上を取得することで合格できます。価格はJARD(日本アマチュア無線振興協会)が開催しているもので、22,750円と割高ですが、合格率は95%以上となっていて、テキスト代や免許申請費用なども含まれていて手続きもJARDが行ってくれます。
直ぐに免許を取りたいと思うのであれば、圧倒的に養成課程講習会の受講をおすすめします。
国家試験受験、もしくは養成課程講習会のいずれかの方法で合格したら1か月程度で無線従事者免許証が手元に届きます。免許証が届いてもまだ電波を出してはいけません。免許証はあくまで電波を出せるという資格を得ただけで、実際に電波を出すためには「開局申請」という手続きを行って「無線局免許状」を取得しなければなりません。
無線従事者免許証は国家資格ですので無期限ですが、無線局免許状については5年間有効です。以下手続きまでの流れです。
無線局免許状の申請にも以下の2種類の方法があります。いずれにしてもまずは無線機を購入し、その技適番号が必要になります。
新規に開局する際に、最も簡単な方法になります。写真にあるような市販の無線機などを購入すると操作マニュアルがついてきますが、その巻末に申請書と同じフォーマットのもので書き方が書いてあります。この通りに記入することで申請できます。
開局のための申請書類は、申請する地域の総合通信局別に用意されています。
第四級アマチュア無線技士の場合は4,300円分の収入印紙を貼って自分が属する総合通信局長宛に送ります。その際に免許証を返送してもらうために封筒に自分の住所を書いて切手を貼って返送用封筒も同時に送ります。
以下送り先と申請書類のダウンロードリンクです。
総務省では無線局免許状の申請を電子申請できるようにしてあります。しかし残念ながらこの方法は初心者にはとても壁が高いものになってしまっています。電子申請のメリットデメリットを紹介しておきます。
▼メリット
免許申請手数料が2,900円(四級)と安い。
自宅でもできる。
▼デメリット
操作が非常に煩雑でコンピュータがある程度できないと申請が難しい。
電波形式や申請方法をしっかり理解していないとできない。
全てのコンピュータで申請が出来るわけではない。
電子申請は四級の場合1,400円ほど安いですが、一方でそれ以上の労力がかかってしまいます。2回目以降の申請や変更申請など、慣れてきた人には良い仕組みかもしれませんが、初めての申請の場合や急いでいる場合は書面での申請をおすすめします。
以下電子申請の手順です。
1、電子申請届け出システムで新規ユーザー登録を行う
(この際に従事者免許が必要です。)
2、1週間後IDとパスワードがハガキで届きますので、それを使ってログイン
(一定期間が経過するとアカウントが使えなくなりますので再度1の作業を行います。)
3、ログイン後、指示に従い開局申請を行います。
(申請内容の控えが来ないため、途中で申請内容をダウンロードしておきます。)
4、審査が通ったら手数料を支払い、返送用の封筒を所管の通信局へ送付、免許状の到着を待ちます。
無線局免許状が届いたらようやく運用を開始できます。無線局の運用はこの免許状が手元に届いてからでないと行えませんので注意してください。
以上、アマチュア無線を始めるまでの具体的な流れでした!