グレーゾーンの多かったアマチュア無線活用の範囲を法律で明確化 アマチュア無線といえば、その名のとおり「アマチュア業務」で利用する無線通信として定義されていますが、その利用範囲は非常に曖昧でした。 「アマチュア」に対する言葉は「プロフェッショナル」ですが、電波法によれば金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行うもので、営利を目的とする法人等の営利事業の用に供する業務は含まれないとしています。 その中で、社会貢献活動のために行う業務や、国又は地方公共団体その他の公共団体が実施する事業に係る活動(これらに協力するものを含む。)であって、地域における活動又は当該活動を支援するために行うものであり、かつ、金銭上の利益を目的とする活動以外の活動のために行う業務についても明示して、アマチュア無線をより身近な暮らしの中で活用できるようになりました。 災害時の市民同士の通信や地域イベント、学校活動など様々な用途での活用が期待される今回の法整備でアマチュア無線の利用範囲が広がっていきます。 今後オンエアーズでもより具体的な活用事例を取り上げていきます。 関連リンク 総務省電波利用ホームページ(社会貢献活動での利用) 社会貢献活動でのアマチュア無線の活用(JARL)
埼玉県狭山市の小中学生がISSの宇宙飛行士と交信! 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士と地域の子どもたちがアマチュア無線を活用して交信を行うイベント「ARISSスクールコンタクト」が2020年1月13日(祝日)に埼玉県狭山市の水富公民館事業として狭山市立笹井小学校で行われ、およそ11分間の交信に成功しました。 20時58分より交信が開始され、およそ11分間、地上から子供たちがアマチュア無線の電波に乗せておよそ20問の質問を行い、上空400kmに居るLuca宇宙飛行士からその回答を得る事ができました。 当日の様子 交信を記念して「8J1SS」の運用が行われます。 子どもたちが国際宇宙ステーションと更新したことを記念して臨時局「8J1SS」が記念運用を行います。 周波数は短波帯(HF)から極超短波(UHF)を予定していて、現在決定している日時は以下の通り。 2020年1月21日(火)19時~21時 2020年2月4日(火)19時~21時 2020年2月8日(土)14時~16時 (※時間は予告なく変更になる場合があります。呼び出し局があっても時間前に終了する場合もあります。) また、この日以外でも平日の夕方などで電波が出される場合があります。 記念運用の期間は2月28日まで。 記念QSLカード発行 今回の臨時局記念運用に応答したアマチュア局に対しては「8J1SS」より特別なQSLカードが発行されます。この機会に是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。 ▼より詳しい情報はARISSスクールコンタクトin North SAYAMAの公式サイトにて https://space.sayama.jp &nb...
上空400㎞の宇宙をおよそ90分で地球を周回している国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)に滞在する宇宙飛行士と、地球に居る子供たちがアマチュア無線を使って交信を行うイベント「ARISSスクールコンタクト」が2020年1月13日(祝日)に埼玉県狭山市にて開催されます。 このイベントは、世界中で行われているNASAの教育プログラムです。国際宇宙ステーションは時速27,000kmで移動しているため、自分たちの上空を通過したとしても地平線から地平線までおよそ10分程度しか見る事ができません。 この10分間の間に地上から電波を出して、子どもたちが宇宙飛行士に質問を投げかけます。 超短波帯で交信 ISSとの交信は超短波帯以上の周波数を使って行います。短波帯では、大気圏にある電離層で電波が反射されてしまい、電波が宇宙に抜けていかないからです。 今回は、埼玉県狭山市で行われますが、昨年夏には京都でも行われました。開催当日はどなたでも観覧が可能です。 【開催概要】 日時:2020年1月13日(月曜:祝日)20時~21時30分 (実際の交信時間は10分程度) 詳細は公式サイトで! https://space.sayama.jp 主催:水富公民館(TEL:04-2954-4730) 場所:埼玉県 狭山市立笹井小学校 体育館 ※当日会場には駐車場が殆どありません予めご了承ください。 ※開催時間が遅いため、徒歩・自転車などでの来場は十分注意してください。 ※会場は体育館です。スリッパなどの上履きが必要です。 常に6人が滞在している国際宇宙ステーション ISSはアメリカ、ロシア、日本、カナダ、ヨーロッパ諸国の協力により運用され、...
今年12月より開局予定の「FMゆうがお」に予備免許 全国で330局目となるコミュニティーFM局、「FMゆうがお」こと「しもつけエフエム」に総務省関東通信局から9月9日、予備免許が発行されました。栃木県下野市にあるケーブルテレビジョン株式会社により運営されるこのFMラジオ放送局は市民・地域文化の振興、地域経済の活性化及び防災対策を推進するために開設されているものです。 呼出符号はJOZZ3CU-FMで周波数は87.9MHz(電波の形式 F8E)空中線電力は10Wで下野市を中心に宇都宮市、小山市、真岡市、上三川町、壬生町エリアをカバーします。 コミュニティーFMとは? FM放送局の中でも放送エリアを狭いエリアに限定し、空中線電力を20W以下で放送する局の事をいいます。地域密着型の放送局で、行政情報や近所で起こるニュースなどを放送し、地域での情報共有を促進することができ、また災害時には自家発電などにより放送を続け、インフラが回復するまでの情報網として機能します。 なぜ今コミュニティーFMが注目されているかと言うと、近年日本では洪水や地震などの災害によりインフラがダウンして情報が手に入らずに不安になる状況が各地で起こっています。防災対策の一環として有事の際でも情報を届けられるラジオ放送が注目されています。
日本最南端の島からのアマチュア無線運用が意味するもの そもそも沖ノ鳥島とは? 沖ノ鳥島は日本最南端のサンゴ礁の小さな島です。過去1540年ごろから外国船により発見された記録が残っていて、日本が初めて調査を行ったのは1922年(大正11年)です。1931年に島の名前を「沖ノ鳥島」とし、東京府(現在の東京都)に編入されました。 以下が沖ノ鳥島の場所です。(拡大していくとサンゴ礁が見えます) 沖ノ鳥島の位置 拡大地図 沖ノ鳥島は北緯20度25分、東経136度04分に位置し、東京からはおよそ1,700㎞、小笠原諸島の最南端「父島」からも900㎞程度離れています。現在は国土交通省により管理されている日本の領土です。満潮時には70㎝程度の小島ですが、東西4.5km、南北1.2kmに及ぶサンゴ礁が広がる島です。 日本政府は護岸工事に300億円を投じるなど沖ノ鳥島を重要視しているのが排他的水域(EEZ)の喪失を防ぐためです。豊富な水産資源に恵まれているため漁場としての潜在能力が高く、またメタンハイドレートやレアアースなどの鉱物資源が多く存在しているため将来自国での資源確保につながるからです。 排他的水域(EEZ)とは、領海基線から200海里(1海里は約1.8㎞)以内で設定することができ、沿岸国がその範囲内で天然資源の探査・開発、漁業などの経済活動、海洋環境の保全などを行う事ができるエリアです。 しかしながら、周辺国からはこのエリアのEEZに対する異議の声も上がっています。2003年には突如中国が異議を唱え、日本の領土としては認めたものの、同島は島ではなく岩で、200海里のEEZは持たないと主張してきました。 アマチュア無線家による大きな貢献 アマチュア無線の世界で...