向上心があって色々やってみようという意欲のある方におすすめな機種!
「アマチュア無線を始めたいけど、どの無線機がいいかわからない」 「せっかくなら、ただ話すだけじゃなく色々楽しめる機種が欲しい」そんな向上心が旺盛なビギナー方に、アイコムのD-STAR®対応ハンディ機「ID-52 PLUS」を強くおすすめします。

ID-52PLUS (144/430MHzデュアルバンド5W デジタルトランシーバー)
ID-52 PLUSは、従来のハンディ機のイメージを覆すほど多機能で、まるで「手のひらの上の通信基地局」です。この記事では、特にアマチュア無線初心者の方に向けて、ID-52 PLUSで「何ができるのか」を、専門用語をなるべく使わずに分かりやすく解説します。
ID-52 PLUSってどんな無線機?
まずは基本情報です。
- メーカー: アイコム (Icom)
- ジャンル: アマチュア無線用ハンディ機 (144/430MHz帯)
最大の特徴:
- デジタル通信 D-STAR®に対応
- Bluetooth®を標準搭載
- 大型カラー液晶で見やすい
- 防水性能 (IPX7) など、タフな設計
一言でいえば、「デジタルの力で、日本中・世界中とつながれ、スマホとも連携できる高機能なハンディ機」です。
🔰初心者必見!ID-52 PLUSでできること7選
ID-52 PLUSの魅力を、具体的な「できること」でご紹介します。
1. D-STAR®で「驚くほどクリアな音声」で遠くと話せる
アナログ無線(従来のFMなど)は、電波が弱くなると「ザーザー」というノイズが入ります。
しかし、ID-52 PLUSが対応するD-STAR®(ディースター)というデジタル通信方式は、音声データをデジタル化して送受信するため、ノイズが非常に少なく、クリアな音質で会話できます。
さらに、日本全国にある「レピーター(中継局)」を経由することで、ハンディ機一台でも北海道から沖縄、さらには海外の局とも交信できる可能性があります。
2. Bluetooth®標準搭載で「ケーブルレス」運用
ID-52 PLUSの「PLUS」たる最大の進化点が、Bluetooth®の標準搭載です。(※前モデルID-52はオプション対応)
これにより、以下のような便利な使い方が可能になりました。
- ワイヤレスヘッドセットが使える: 別売のワイヤレスヘッドセット(VS-3など)を使えば、ケーブルの煩わしさから解放されます。登山中や移動中でも、ハンズフリーで安全に交信できます。
- スマホとワイヤレス連携: 専用アプリ(後述)を入れたAndroid™端末と連携し、スマホをリモコンのように使えます。
3. スマホで撮った「写真を送受信」できる!
「今こんな景色が見えています」「使っている機材はこれです」——。 ID-52 PLUSは、専用のスマホアプリ(RS-MS1A)と連携することで、スマホで撮った写真を無線で送受信できます。
音声だけでなく、画像でもコミュニケーションが取れるのは、アマチュア無線の新しい楽しみ方です。
4. 自宅にいながら世界とつながる(ターミナル/アクセスポイントモード)
「家がアパートでアンテナを立てられない」「近くにD-STARレピーターがない」 そんな初心者の方でも心配無用です。
ID-52 PLUSには、インターネット回線を経由してD-STAR網に接続できる「ターミナルモード」や「アクセスポイントモード」が搭載されています。
わかりやすく言うと… 自宅のWi-Fi(インターネット)を使って、ID-52 PLUSを「D-STAR専用の出入り口」にできる機能です。これにより、電波が届かない場所からでも、世界中のD-STARユーザーと交信が楽しめます。
5. 「聞く」楽しみも満載!2波同時受信&広帯域受信
ID-52 PLUSは「話す」だけではありません。「聞く」機能も強力です。
- 2波同時受信: 例えば、「地元の仲間との周波数(VHF帯)」と「全国のレピーター(UHF帯)」を同時に待ち受けることができます。
- 広帯域受信 (ワイドバンドレシーバー): アマチュア無線の周波数以外も受信できます。
- エアバンド(航空無線): 空港の近くで飛行機の交信を聞く
- FMラジオ / AMラジオ: 災害時の情報収集にも役立つ
「エアバンドを聞きながら、アマチュア無線の呼び出しを待つ」といった使い方ができるのも魅力です。
6. 雨や水濡れもOK!「IPX7」の防水性能
アウトドアでの運用は、突然の雨や水しぶきが心配です。ID-52 PLUSは、IPX7の防水性能を備えています(水深1mの静水に30分間耐える)。
登山、キャンプ、釣りなど、アクティブな趣味のお供としても最適です。
7. GPS内蔵で「自分の位置」も送れる
本体にGPSレシーバーを内蔵しています。 これにより、以下のようなことができます。
- 自分の位置情報(緯度経度)を相手に送る。
- 相手局との距離や方角を表示する。
- 最寄りのD-STARレピーターを自動で検索する。
あると便利なオプション機器
ID-52Plusの弱点と言えば、標準でついてくるバッテリーパックの容量がちょっと少ないという事です。液晶パネルもカラーですし、バックライトが頻繁についていると、電池の持ちが非常にわるくなります。できればBP-307という大容量バッテリにすることで2.5倍程度電池容量が増えます。
また、充電する際にはUSB TYPE-Cを利用しますが、これも「クレードル」で充電すると充電のスピードが大幅に上がります。これは利用しない時のスタンドにもなりますため、必需品ともいえるでしょう。
ID-52(無印)との違いは?
1つ前の機種「ID-52」と「ID-52 PLUS」では何が変わったのか? 最大の(そして最も重要な)違いは、Bluetooth®機能が標準で搭載されているかどうかです。
ID-52 PLUS (本記事の機種):
- Bluetooth®が標準搭載。
- スマホアプリ(ST-4001A/I)による各種設定・リモート操作がワイヤレスで可能。
ID-52 (旧モデル)
-
- Bluetooth®は標準では非搭載。(※オプション基板(UT-137)が必要でした)
これから購入するなら、スマホ連携の利便性が格段に向上した「ID-52 PLUS」が断然おすすめです。
ID-52 PLUSは初心者におすすめ?
結論から言うと、非常におすすめです。
【おすすめの理由】
- 大型カラー液晶&日本語表示: 誰が送信しているか、どの機能を使っているかが一目でわかり、直感的です。
- DR機能: D-STARレピーターの設定が「相手を選ぶだけ」で簡単にできます。
- 「全部入り」の安心感: 初心者のうちは「何が必要か」が分かりにくいものです。ID-52 PLUSは、D-STAR、GPS、Bluetooth、広帯域受信など、後から「あの機能も欲しかった」となりがちな機能が最初から全部入っています。
【少し注意する点】
- 多機能: できることが多いため、すべての機能を使いこなすには少し勉強が必要です(それがまた楽しいのですが!)。
- 価格: いわゆる「入門機」よりは高価です。しかし、その価格に見合う(またはそれ以上の)楽しさと性能が詰まっています。
アイコム ID-52 PLUSは、単なる「無線機」を超え、アマチュア無線の「今」と「未来」を体験できるコミュニケーションツールです。クリアなD-STAR通信、スマホとのBluetooth連携、画像送信、そしてタフな防水性能。 この一台があれば、あなたの無線ライフは間違いなく豊かになります。
