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オンエアーズスタッフが行った「ハムフェア2023」レポート

アマチュア無線の祭典「ハムフェア2023」が開催!

2023年8月19日(土)、20日(日)の2日間アマチュア無線家たちの日本最大のイベントでもある「ハムフェア2023」が東京ビックサイトで開幕しました。日本国内はもちろん、海外からも関係者が集うアマチュア無線の祭典に、わがオンエアーズスタッフも1日目の様子をうかがってきました。

ビックサイト正面にもハムフェアの看板が飾られていました。今年は「さあ行こう!アマチュア無線の新時代」というサブタイトルです。2021年の法改正で、社会貢献活動での利用が広がり、2023年9月からは免許申請方法が変わるなど、令和に入りアマチュア無線の利用範囲が広がり、利用者の利便性の改善がおこなわれていることからこのようなサブタイトルになったのでしょう。

今回は南ホールですので、正面から来ると右手方向に流れていきます。展示会場の南3,4ホールは一番奥なので、少し歩かなければなりません。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

入場前にはチケットを購入します。日本アマチュア無線連盟(JARL)に入会している方は会員証を提示すると1,000円で入場でき、入り口の入会ブースでJARLに入会すれば無料でも入場できます。私たちが到着したのは初日(19日)の11時頃でしたが、すでにすごい人。端から端まで4往復する行列でした。アマチュア無線家の今年のハムフェアへの期待が伺えます。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

会場内はすでに多くの人々が各展示ブースで始まっている新製品の紹介や、イベントなどに集まり、真剣に耳を傾けています。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

ICOMブースはIC-905

入ってすぐのICOM(アイコム)ブースでは、新製品のIC-905に注目が集まっています。アマチュア無線業界では初となるVHF~SHF帯までの高い周波数をカバーしたマルチバンドのトランシーバーです。144MHz/430MHz/1200MHz/2400MHz/5600MHz/10GHzに対応し、FM方式のATVに対応しているため、アナログカメラを接続することで、IC-905 本体だけで映像の送受信が可能になります。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

全作のIC-705は、HF帯からUHF帯までをカバーしていましたが更にその上の周波数に特化し、デザインや操作性も705と同様になっているため、705ユーザーは非常に使いやすい操作感になるでしょう。コンパクトで形もかっこいいですね。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

KENWOODのTH-D75

すぐ隣にブースを構えていたJVC/KENWOODでは、発売前のデュアルバンドハンディ機のTH-D75が今回一番の注目商品となっていました。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

実機も展示されていて、カラー液晶の具合なども見れました。USB端子やBluetoothを搭載していて、様々なパソコン連携について詳しくデモ電磁が行われていました。APRSをより効果的に使える出路ピーター機能、IF出力によりPC画面でバンドスコープが見えたり、D-STARリフレクターに簡単にアクセスができるなど、かなり利用範囲が広がるハンディトランシーバーです。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

さらに同ブース昨年から活動をはじめた自社バーチャルキャラクター「波澄りお(はすみりお)」が人気を集めていました。同社は2020年に最初のバーチャルキャラクター「黒社えれん」を発表していて、それに続く第二弾のキャラクターという事になります。こういったのもアマチュア無線新時代の1つでしょう。

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初心者向けラインナップのあるALINCO

低価格なアナログハンディ機のラインナップを用意しているALINCO(アルインコ)ブースでは人気機種がラインナップされています。初心者に必要十分な機能に絞り込んだ機種は、ボタンが少なく、操作がわかりやすいのが特徴です。

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写真手前の144M/430MHzデュアルバンドのFMトランシーバーDJ-S57は入門者向けにロングセラーとなっているモデルです。

モービルトランシーバーのDR-735はデュアルバンドFMトランシーバーとして手頃な価格と、美しい液晶でファンも多い機種です。

YAESUブースはアウトドアなイメージ

アマチュア無線機メーカーの中でも、ちょっといつもと違った感じでブース展開していたのが、YAESUです。木製のテーブルとチェアを用意して、無線機をアウトドアな風景の中で展示して、その世界では活用をイメージさせていました。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

このようにラインナップを見るとYAESUはハンディ機の種類が豊富です。すでに製造が終わったFT-1DやFT-2D、FT-3Dなんかも現役で使っている方も多いだけに、発売しているものだけでもこれだけあるというのは圧巻です。超小型430MHzハンディ機のVX-3もロングセラーです。

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南極昭和基地(8J1RL)展示ブース

今年の目玉展示の1つ南極大陸で発見された隕石や南極の氷に触れる南極昭和基地の展示ブースです。

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南極横断山脈アランヒルズで採取された隕石(ALH-769)で、南極で発見されたものの中で最大のもの。この隕石の原型はおよそ400kgあります。展示されている隕石はその一部分です。

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JARLによる工作教室

主催団体である日本アマチュア無線連盟(JARL)の支部が協力して運営している工作教室では、子供を中心にFMスピーカーラジオやモールス練習機の工作会が行われていました。ラジオ工作は、実用的な電子工作としてとても良い教材です。近年、自分が作ったものが実用として利用できる電子工作は意外と少ないように思います。これを機にアマチュア無線にも興味持ってもらいたいものです。

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JAMSATブースで見た「てんこう2」

日本アマチュア衛星通信協会(JAMSAT)と日本大学奥山研究室が連携して開発行っている超小型人工衛星「てんこう2」のモックアップがJAMSATブースに展示されていました。奥山研究室の学生さんからいろいろ話を聞きましたが、2018年九州工業大学で打ち上げた地球低軌道環境観測衛星「てんこう」の後継機で、主にアマチュア無線用のリニアトランスポンダの連続運用や高速データ伝送試験、マイクロ波帯での通信技術の実証などがミッションになっているようです。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

ハムフェアの醍醐味「ジャンク市」

ハムフェアの醍醐味の1つがアマチュア無線クラブがフリーマーケットのように軒を並べるブースです。すでに販売が終了している無線機のパーツや電子部品などの掘り出し物を見つけに多くの無線家が集まり、最もにぎやかなコーナーとも言えます。今年は「Cブロック」がこの一般展示と販売ができるコーナーとして用意されていました。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

ビジネスコーナーでは関連企業が出展

ビジネスコーナーでは、無線機の販売店や書籍出版社、免許取得の養成課程講座のPRなどが行われていました。CQオームさんなどはアマチュア無線関連機器はありとあらゆるものを網羅してハムフェア価格で販売しています。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

アマチュア無線の新時代は感じたか?

日本アマチュア背無線連盟(JARL)の発表によれば、今年は昨年を上回る来場者数となり、およそ43,000名(1日目31,000名、2日目12,000名)が会場に訪れました。今回のハムフェアでは、1日目に法改正後の体験運用制度の実例などの講演が行われ、YAESUがアウトドアを演出する展示を行ったものの、展示内容や来場者などイベント全体からは「アマチュア無線の新時代」を感じさせられるような要素はあまりなく、新型コロナウイルス感染拡大への懸念が後退し、以前のようにアマチュア無線家が集まる場所が本格的に再開したというイメージでした。

会場で行われていた「若者とアマチュア無線の新時代を語るコーナー」も、従来のアマチュア無線技術を若い世代に伝えていこうという話しに終始していて、アマチュア無線の新しい活用の可能性については残念ながら議論がなされていませんでした。

一方で、別棟で行われていた全国高校アマチュア無線連盟の高校コンテスト表彰式や生徒交流大会には、多くの高校生が参加していて、学生による司会進行などにより盛り上がりを見せていました。若い世代の中で新しいアマチュア無線の活用についても議論していってほしいところです。

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

新時代のハムフェアに求められるもの

新時代のハムフェアに求められるのは、やはり無線従事者の免許を持っていない人でも興味を持って来たくなるアマチュア無線利用への啓発となるようなイベントになる事です。社会貢献活動で活用を始めた団体がその価値を理解し、ハムフェアに出展したり、関連する無線従事者以外の来場者が増えていくことが必要です。

具体的には、消防団や有害鳥獣対策の猟銃組合、災害ボランティア、自治会、小中学校の教員、レジャー活用などの展示ブースです。しかしそれらが実現するためには、現在アマチュア無線を利用している人たちが、新しい活用方法を受け入れ、日ごろからアマチュア無線の社会的価値の向上を啓発する活動が必要になります。

現在アマチュア無線の開局数は全国で36万5千件程度ですが、1994年のピーク時には136万局がアマチュア無線を楽しんでいたことを考えると、およそ30年で100万人減少し、現在も開局数よりも閉局数が大幅に上回っています。

スマートフォン時代だからこそ、電気や電波の常識はすべての利用者が知るべきです。国家資格を有する者が使うからこそ、寛容で安全、正しい情報がやり取りされるネットワークを構築し、それらがある事を若年層から教育していく必要があります。

ハムフェアチャンネルで当日の様子が見れる

JARLのハムフェア公式チャンネルでは、ハムフェアの各種セレモニーやイベントコーナーでの講演を見ることができます。見逃した方は以下のチャンネルでご覧いただけます。

>>ハムフェア2023公式チャンネル

ハムフェア2023 オンエアーズ onAirs.net Ham Faire 2023 Japan

(左から、JARL広報大使masacoさん、JAIA 小路山憲一会長、IARU Tim Ellam会長、JARL 森田耕司会長、KARL Choi Hyeong Moon会長、JARD 三木哲也会長、JARL広報大使水田かおりさん)

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