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アマチュア衛星を活用した無線通信の楽しみ方:実践ガイド

アマチュア衛星通信の魅力と可能性 アマチュア衛星通信は、地上の中継局(レピーター)が宇宙を飛んでいるようなものであり、普段の地上波による無線交信とは異なる独特の体験ができます 。自分の発射した電波が、はるか上空の人工衛星を経由し、遠く離れた地域、あるいは海外のアマチュア無線家と繋がるという事実は、何物にも代えがたい感動を与えてくれます。また、衛星からの信号がドップラー効果によって変化したり、自分の声がエコーのように少し遅れて聞こえたりする現象は、衛星通信特有の「不思議な魅力」と言えるでしょう 。    このアマチュア衛星通信の世界は、一部の専門家だけのものではありません。アマチュア無線技士の免許を持つ人であれば、誰でもその扉を開くことができます。このレポートでは、アマチュア無線家が人工衛星を利用して無線通信を楽しむための具体的な方法をいくつか選び、それぞれの魅力、必要な機材、運用方法などを詳しく解説します。比較的取り組みやすいFM衛星による音声交信から、より高度な技術を要するSSB/CWでの本格的なDX通信、さらにはAPRSを利用したデータ通信まで、あなたの宇宙への無線通信の楽しみ方を広げるお手伝いをします。 アマチュア衛星通信の基礎知識 アマチュア衛星とは? アマチュア衛星とは、その名の通り、アマチュア無線家のために打ち上げられた人工衛星のことです。これらの衛星は、政府機関や商業的な衛星企業が運用するものとは異なり、個人的な趣味の団体や大学の研究室などが主体となって製作・運用しています 。アマチュア衛星の歴史は古く、宇宙開発の黎明期である1961年に打ち上げられたOSCAR-1(オスカー1号)がその始まりです 。以来、現在までに数多くのアマチュア衛星が打ち上げられてきました。「OSCAR」という名称は「Orbiting Satellite Carrying Amateur...

クロス八木アンテナの基本的な理論

アマチュア無線におけるクロス八木アンテナは、そのユニークな特性から、特定の用途で非常に有効に活用されます。主な用途としては、以下の点が挙げられます。 1. アマチュア

アマチュア無線で大事なRSレポートの送り方

アマチュア無線では、相手との交信中に相手との通信がどれくらい良好にできているかを送り合います。これを「RSレポート」と言います。

新しい会場で新しい時代のアマチュア無線へ!ハムフェア2024!

アマチュア無線最大のイベント「ハムフェア2024」 毎年夏休みの時期に開催されているハムフェア2024が今年も8月24日(土)、25日(日)の2日間、開催されました。 2023年までは、東京ビックサイトで開催されていたハムフェアの会場は、今年から有明にある有明GYM-EXに会場を移しての開催となりました。 「アマチュア無線 de 新たな体験 in 有明」 今年のキャッチフレーズは「アマチュア無線 de 新たな体験 in 有明」。過去1990年代にはアマチュア無線家は140万局に迫る勢いで利用者が増えていたものの、携帯電話の普及などによりその利用人口は減少の途をたどり、2024年8月現在では35万局程度となっています。 アマチュア無線家の多くは、一般的な通信手段が家の電話しかない時代に、自分の両親や祖父母にすすめられたり、近所のおにいさんやおじさんがアマチュア無線をやっているのを見てそのキャリアをスタートさせています。しかし携帯電話が当たり前になり、SNSなど様々な通信手段がある現代、近隣との関係も希薄になっている中、アマチュア無線を利用している近所のおにいさんやおじさんに巡り合うチャンスは皆無で、アマチュア無線の存在すら知らない大人や子供が多くなってきています。 今回のハムフェアのキャッチフレーズにある「新たな体験」は、はじめてアマチュア無線という言葉を聞く人、新しい会場になってのハムフェア、新しい時代のアマチュア無線など様々な「新」の意味があると感じます。 新会場でも充実の内容 昨年までの東京ビックサイトに比べて会場がやや小さくなると聞いていましたが、それを感じさせない活気がありました。新会場の有明GYM-EXはビックサイトにも近いため、電車で行っても車で行っても時間の差はあまりありません。 今回は車で行きましたが、近くにはコインパーキングも沢山あり、電車で行った場合も有...

YAESU FT-65: 災害時にも活躍するコンパクト&タフなアマチュア無線機

最小限の機能を備えた低価格な入門機 YAESUのFT-65は、低価格なのに144MHzと430MHzの2バンドに対応し、FMラジオ帯を受信できる最低限の機能を備えた入門機です。 2バンドの利用が可能であるため、アマチュア無線の魅力を存分に味わえる、コンパクトながらもパワフルなトランシーバーです。 趣味としての利用はもちろん、災害時における情報収集や連絡手段としても頼りになります。 FT-65の注目ポイント コンパクト&堅牢: 持ち運びやすいサイズながら、IP54の防塵・防水性能とMIL-STD-810 C/D/E規格準拠の堅牢性を備えています。 クリアな音質: 大口径スピーカーと1Wの大音量で、騒がしい屋外でもクリアな音質を確保します。 簡単操作: 直感的なボタン配置とわかりやすいディスプレイで、初心者でもスムーズに操作できます。 多彩な機能: 緊急通信機能、スキャン機能、メモリーチャンネルなど、便利な機能が満載です。 災害時におけるFT-65の役割 情報収集: 停電や通信障害時でも、FT-65があればラジオやアマチュア無線家同士の通信から最新の情報を入手できます。 連絡手段: 携帯電話が繋がらない状況でも、家族や友人、アマチュア無線家らとの連絡を確保できます。 災害時利用の弱点 コンパクトで電池も長持ちするFT-65ですが、1点気がかりなのが、充電池以外の電源が確保できない事です。YAESUから発売されている他のハンディ機にはFBA-39などの単三電池用のケースが用意されていますが、残念ながらFT-65用は用意されていません。しかし、最近ではポータブル電源なども各社から多数販売されているため、こういった電源と合わせて利用するのが良いでしょう。 災害対策!YAESUハンディ機の電池用ケースは必需品!   リンク FT-65で広がるアマチュア無線の魅力 FT-65は...

災害対策!YAESUハンディ機の電池用ケースは必需品!

YAESUの電池用ケースFBA-39は災害時の必需品! YAESUからリリースされてきたハイエンドハンディ機はアナログ通信やデジタル通信の両方に対応し、GPS搭載で多機能です。オールバンドの受信が可能であることから、災害時の情報収集にも役立つます。 バッテリの充電が難しい場合に活躍! 日常的にはバッテリパックがあるため、長時間無線通信を利用しても、いつでも充電が可能です。しかし災害時に電源が確保できるかどうかはどうなるかわかりません。 防災バックなどには乾電池を用意しているケースも多いですので、災害時には乾電池を利用して通信機器を動かせる可能性があります。その時にはFBA-39が活躍します。単三電池3本で0.9Wでの運用が可能になります。 対応しているYAESUのハンディ機 このFBA-39が対応しているのは、現行ではYAESUのフラグシップハンディ機であるFT-5Dのみとなりますが、以前発売されていたフラグシップハンディ機である、VX-8、FT-1D、FT-1XD、FT-2D、FT-2XD、FT-3Dなどでも利用が可能です。 お店によっては新品のハンディ機とのセットでお得に販売しているところもあるようですが、FBA-39は単体でも購入戒能です。 >>FBA-39単品(Amazon) 災害時が多い我が国日本では必需品といえるでしょう。

YAESU FT-5D徹底解剖:ポケットに入る堅牢な相棒、その魅力に迫る!

YAESUのフラグシップハンディ機FT-5D アマチュア無線を手軽に、そしてアクティブに楽しみたい。そんな想いに応えるコンパクトなハンディ機として人気を博しているのが、YAESUのFT-5Dです。数々の最新技術を小さなボディに詰め込みながらも、操作性や堅牢性を妥協しないその設計思想は、まさに「日常に寄り添う頼れる相棒」と呼ぶにふさわしいでしょう。 この記事では、FT-5Dの魅力を余すことなくお伝えするため、その機能や特徴、そして実際に使用する上でのメリットまで徹底的に解説していきます。これからFT-5Dの購入を検討されている方、既にFT-5Dをお持ちの方も、ぜひ最後までお読みください。 FT-5Dが選ばれる理由:他のハンディ機とは一線を画すポイント 圧倒的な堅牢性:過酷な環境にも耐えうるタフネス IP67相当の防塵・防水性能:雨天時や埃っぽい環境でも安心して運用可能。 MIL-STD-810G準拠の耐衝撃性能:落下の衝撃や振動にも強く、アウトドアでの使用にも最適。 コンパクト設計 & 見やすいディスプレイ:携帯性と視認性を両立 ポケットにも収まるコンパクトサイズ:持ち運びに便利で、長時間の運用でも疲れにくい。 高輝度1.7インチカラー液晶ディスプレイ:日中の屋外でも視認性に優れ、各種情報を分かりやすく表示。 C4FMデジタル & FMアナログ両対応:幅広い通信モードに対応 C4FMデジタルモード:クリアな音声と高機能なデジタル通信を楽しめる。 FMアナログモード:従来のFMアナログ無線機ともスムーズに交信可能。 Bluetooth® & GPS内蔵:進化した接続性と位置情報機能 ワイヤレス運用を実現するBluetooth®機能:対応ヘッドセットと接続して、ハンズフリーで快適に運用可能。 精度の高いGPS内蔵:自身の位置情報を把握できるため、移動運用や...

スキーならやっぱりアマチュア無線!

スキー場でアマチュア無線を使うとスキーがもっと楽しくなる! 広いスキー場で仲間や家族とスキーやスノーボードを楽しむ際に、アマチュア無線は最高のツールになります。 スキー場のゲレンデで友人や家族と携帯電話で連絡を取るのはちょっと大変です。寒い中手袋をとったり、電話した相手が滑っていたり、ウェアの中に入れてあると呼び出しに気づかない場合も多いからです。 ボタン1つで通話が可能、複数人で通話可能な無線機! アマチュア無線のハンディ機は、マイクが延長できるため、本体はポケットやリュックに入れておき、マイクを首元あたりにつけておけば、友人や家族からの呼び出しにもすぐに気づき、また応答も横についているボタンを押せばすぐに通話が可能です。寒い中でも手袋をしたままボタンを押すだけで通話ができるため、滑っている最中にも応答できます。 また無線機での通話は通信料金もかかりません。携帯電話のように基地局を使わないため、山の反対側との通信など電波を遮るようなものが無ければ数十キロ~数百キロ先までも届きます。 スキーブームと一緒にアマチュア無線もブームだった! 1980年代にスキーブームを巻き起こした映画と言えば「私をスキーに連れてって」。この映画では、当時の若者たちがあこがれるようなライフスタイルを見せるために、時代の先端を行くようなツールが沢山使われていました。 リンク   トヨタセリカGT-FOURでスキーに行ったり、スキー場では防水カメラ、スキー板に取り付けて坂道を登れるメカ、そして携帯電話の無い時代に仲間と連絡を取り合う「アマチュア無線」です。 劇中の中で何度も出てくるアマチュア無線での通話シーンは、通信手段がなかったゲレンデでの画期的なツールとして使われていました。先にスキー場のロッジで待つ仲間に間もなく到着する事を伝えたり、ゲレンデのレストランで待つ仲間に山の上からビールや食...

埼玉県狭山市で値上げ前の第四級養成課程講習会開催!

JARDが発表した養成課程講習会の値上げ、その前に申し込もう! 2024年6月15日(土)16日(日)の2日間、埼玉県狭山市の狭山市駅前にある狭山市産業労働センターにて第四級アマチュア無線技士養成課程講習会が開催されます。 先日、JARD(日本アマチュア無線振興協会)が7月1日より、受講料の値上げを発表しましたが、その前に開催される講習会です。 【第四級アマチュア無線技士養成課程講習会概要】 日 付:2024年6月15日(土)16日(日)の2日間 時 間:1日目 9時30分~17時50分 2日目 9時30分~16時30分ごろ ※2日目は、補講があった場合には終了時間が17時30分ごろに変更になります。 場 所:狭山市産業労働センター(西武新宿線狭山市駅西口駅前) 費 用:18歳以下9,850円  一般23,150円 対 象:年齢制限なし(小学校1年生~高齢者まで幅広く受講中) ▼会場へのアクセス 6月末までに申し込めば以降の講習会も現行価格で受講可能 7月1日からの値上げを発表したJARDの養成課程講習会ですが、7月以降の講習会も6月中に申し込むことで値上げ前の料金で受講が可能です。ただし申込だけでなく、受講料の入金も完了している事が条件となります。 JARDが企画している今後の養成課程講習会については以下のサイトで確認が可能です。 >>JARD現在募集中の養成課程講習会 関連リンク JARDがアマチュア無線養成課程講習会の値上げを発表 養成課程講習会受講料の改定のお知らせ(JARD)

JARDがアマチュア無線養成課程講習会の値上げを発表

一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)は2024年5月14日、JARD事業の柱の一つである無線従事者の養成事業である「養成課程講習会」について値上げを行う事を発表しました。

アイコムが60周年記念サイトをオープン

井上電機製作所からスタートして60年 アイコムは1954年、現在の会長である井上徳造氏が自宅の庭に小さな建屋を作ってスタートした会社です。 井上氏は高校卒業後、実家でナショナル(現パナソニック)の家電小売店を始めたもののすぐに医療機器メーカーに就職し、高周波医療機器の開発に携わっていました。 2時間をかけて会社通いをしていた勤務先の社長から技術力の高さを買われ、下請けとして独立することを勧められ、自宅に作業場を作り下請け業務とアマチュア無線機の開発を始めたのです。 そして1978年に井上電機製作所からアイコム株式会社に称号を変更し今に至ります。 60周年の歩みとこれから! そのアイコムの60周年と100年企業を目指す「これから」が纏められた特集サイトがオープンしました。 >>ICOM 60th Anniversary 特設サイト ここでは、アイコムの歩みや、アマチュア無線機の初号機から現在に至るまでの様々な名機も見ることができます。 アイコムファンは見逃せないサイトです! 関連リンク アイコム60周年記念サイト アイコムの歩み  

周波数と波長の関係

養成課程講習会の講習でも勉強しましたが、無線には欠かせない「電波」と「周波数」について、再度確認をしていきたいと思います。電波は、周波数と波長によってさまざまな性質を持ちます。無線をより楽しむためにもきちんと覚えておきましょう。 周波数と波長との関係 1. 周波数 周波数の定義 1秒間に波が繰り返される回数のことです。単位はHz(ヘルツ)で表します。この波が1秒間に1,000回繰り返されれば1kHz(キロヘルツ)、100万回繰り返されれば1MHz(メガヘルツ)というように表されます。この1回分の波を「波長」と呼び、電波の長さを意味します。   ・情報量: 周波数が高くなるほど、多くの情報を伝送できます。 ・直進性: 周波数が高くなるほど、直進性が強くなり、遠くに届きます。 ・回り込み: 周波数が高くなるほど、障害物に回り込みにくくなります。 ・アンテナ: 使用する周波数帯に合わせたアンテナが必要になります。   例えば AMラジオ放送は、周波数帯が数百kHz~数MHzです。そのため情報量は少ないですが、障害物の影響を受けにくいです。 FMラジオ放送:は、周波数帯が数十MHzです。AMラジオ放送よりも情報量が多く、音質が良いです。 携帯電話:は、周波数帯が数百MHz~数GHzです。情報量が非常に多く、高速通信が可能となります。 2. 波長 波長の定義 2つの波の頂点間の距離をいいます。 ・反射: 波長が長くなるほど、反射しやすくなります。 ・吸収: 波長が長くなるほど、物体や人体に吸収されやすくなります。 ・回折: 波長が長くなるほど、障害物の角を回り込みやすくなります。 ・アンテナ: 使用する波長に合わせたアンテナが必要になります。 例えば 長波は、波長が数百m~数kmで遠くには届きますが、情報量は少ないです。 中波は、 波長は数百m~数十mと長波よりも...

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