ISSから430MHzで受信!10月2日〜6日開催ISS「SSTV Series 33」受信・設定完全ガイド
「国際宇宙ステーション(ISS)から、自分の無線機に直接画像が降ってくる」──そんなロマンあふれる体験ができるARISSのSSTV(スロースキャンテレビジョン)送信イベントがやってきます。
ARISS公式サイトによれば、10月2日(金)から6日(火)にかけて、NASAの教育プログラムの一環として「SSTV Series 33」が開催されます。
しかし、アマチュア無線家の皆様は「いつものセッティング」で待ち受けないよう注意が必要です。今回のイベントは、過去に多く用いられたVHF帯(145.800MHz)ではなく、UHF帯(437.550MHz)が使用されるとARISS公式よりアナウンスされています。
今回のイベントを確実に成功させるための正確な技術スペックと、UHF帯ならではの受信テクニックを徹底解説します。
1. 「Expedition 75 – ARISS Series 33 Student Education」の概要
今回のSSTV送信イベントは「学生の教育(Student Education)」をテーマにした特別なミッションです。
開催スケジュール(日本時間)
- 開始日時: 2026年10月2日(金) 18:00 JST (09:00 UTC)
- 終了日時: 2026年10月6日(火) 終了時間未定(TBD)
※ISSのクルーのスケジュールにより、一時的な送信の中断や時間の変更が発生する場合があります。最新の稼働状況はARISSの公式ステータスページを確認してください。
2. 【最重要】今回の周波数とSSTVモードの設定
一般のニュースサイトでは語られない、我々アマチュア無線家にとって最も重要な技術スペックです。今回は以下の設定に無線機とアプリを合わせる必要があります。
| 項目 | 詳細データ(※今回用の設定) |
| 送信周波数 | 437.550 MHz (FMモード) |
| SSTVモード | Robot 36 |
| ドップラーシフト | ±10kHz程度(UHF帯のため変動幅が大きい) |
過去のイベントに参加したことがある方は、無線機に「145.800MHz」、アプリに「PD120」をプリセットしているかもしれませんが、今回は必ず「437.550MHz」「Robot 36」に変更しておいてください。
Robot 36モードは画像伝送にかかる時間が約36秒と短く設定されているため、ISSが上空を通過する短いパス(通信可能時間)の間に、より多くの画像を受信できるチャンスがあります。
ISSの軌道を調べ
ISSは90分に1回地球上をぐるぐるまわっていますから、1日に何度も受信できるチャンスがやってきます。JAXAの「きぼうをみよう」などのサイトでは肉眼で見える時の軌道しか表示されていませんが、実際はもっと沢山通過しています。でも肉眼で見ながら受信するというタイミングだったら最高です。
ISSの軌道は以下のサイトからも見ることができます。
3. 【体験談】ハンディ機とスマホアプリでお手軽受信!
「UHF帯の衛星通信だから八木アンテナやトラッキング装置が必要なのでは?」と諦める必要はありません。筆者の経験上、ISSからの信号は非常に強力なため、5Wのハンディ機+付属アンテナでも十分にデコード可能です。
必要な機材(最小構成)
- 受信機: 430MHz帯が受信できるFMハンディ機、または広帯域受信機(SDRでも可)
- アンテナ: ハンディ機付属のホイップアンテナ(※長めのSRH779などに交換するとさらに安定します)
- デコード機器: スマートフォン
- アプリ: 「Robot36」(Android)または「SSTV」(iOS)
筆者が実践する「音響結合」テクニック
専用のオーディオケーブルで無線機とスマホを繋ぐのがベストですが、私はあえて「ハンディ機のスピーカー音を、スマホのマイクに直接聞かせる(音響結合)」という手軽な方法をよく使います。周囲の音が入ってしまうとノイズで画像がやや悪くなってしまいますが、それもアナログ電波の醍醐味です。
しかもハンディ機の準状態が良くなくなってきた時に、ホイップアンテナの傾きを変えたりして合わせていったときに、受信感度が戻る体験は、アマチュア無線が自然現象に影響されながら通信している感覚を感じることができる最高の瞬間です。そしてこの瞬間を何度も体験できるのです。
ISSが上空(AOS)に現れ、ピロロロロッという信号音が聞こえ始めたら、無線機のボリュームを適度に上げ、スマホのマイクを近づけるだけです。静かな部屋で行えば、この方法でも十分にARISSのアワード申請に使えるクオリティの画像が取得できます。
4. 成功の鍵!UHF帯特有の「ドップラーシフト」対策
今回の周波数は437.550MHz(UHF帯)です。VHF帯(144MHz)と比べ、ISSの高速移動に伴うドップラーシフト(周波数のズレ)の影響が約3倍大きくなります。綺麗な画像を受信するためには、パス中のこまめな周波数微調整(VFO操作)が必須です。
筆者が行う受信中のVFO操作ステップ(5kHzステップ)
- AOS(接近時): ISSが見え始める頃は、周波数が高くズレています。437.560 MHz 付近から待ち受けを開始します。
- 接近〜最接近: 信号が強くなるにつれ、音が濁ったりノイズが乗り始めたら、VFO(手動チューニング)を回して 437.555 MHz → 437.550 MHz(最接近・TCA)と下げていきます。
- LOS(離脱時): ISSが遠ざかるにつれて、周波数はさらに下がります。437.545 MHz → 437.540 MHz と合わせながら最後まで電波を追いかけます。
FMモードは帯域が広いため多少ズレても音は聞こえますが、SSTVの画像においては周波数のズレが「斜めのノイズ線」や「色の乱れ」としてダイレクトに現れます。面倒でも5kHzステップでダイヤルを回すのが、プロ級の画像をキャッチする秘訣です。
ISSからの画像を受信しよう!
SSTV Series 33イベントを成功させるための要点のおさらいです。
- 日程: 10月2日(金)09:00 UTC ~ 6日(火)
- 周波数: 437.550 MHz (FM)
- モード: Robot 36
- コツ: スケルチは全開(開放)にし、パス中のドップラーシフト(+10kHz 〜 -10kHz)に合わせてVFOをこまめに調整する。
無事に画像を受信できた方は、イベント終了後72時間以内にARISSのSSTVギャラリー(https://ariss-usa.org/ARISS_SSTV/)へ画像を投稿することで、公式の記念証明書(アワード)をダウンロードすることができます。
\ 見事キャッチできたらシェアしよう! /
受信した画像は、ぜひX(旧Twitter)等のSNSでハッシュタグ #ARISS #オンエアーズ を付けて投稿してください!全国の無線仲間と受信状況やノイズ対策の工夫を共有して楽しみましょう。